【学級編成ってどうやって決めてるの?】元教師が振り返るクラス編成の決め方

保護者

4月になり先生方も生徒達もワクワクとソワソワの中で新学期を迎えたことでしょう。

そんな中、気になるニュースが目に飛び込んできました!

「新学期が始まってからの学級の再編成」

詳細を読むと、滋賀県の中学校でクラス分けを生徒たちに発表後に、3年生のクラス(11クラス)が生徒指導上配慮がされていなかったため、再度クラス編成を行うという内容でした。その後、始業式は取りやめ、保護者説明会を開き、新クラスについては4月10日に発表するとのことでした。

生徒指導上の配慮と聞くといろいろ考えてしまいますね。学校によって事情は様々ですが、ここでの思い切った判断は、いつかの誰かを救う一手になっているかもせれません。

誰しもが一度は経験したことのあるクラス編成

「あの人と一緒になりたい!」「あの人とは違うクラスになりたい…」なんて思いをもっていたことでしょう。人によっては1年間の明暗を分けるといっても過言ではなかったはずです。

では、先生方はどんなことを意識してクラス編成をしているのでしょうか?

私なりにクラス編成優先度ランキングをつけてみました!

第1位 学力

学校はあくまでも勉強をする場所です。クラス編成した結果、あのクラスだけ学力が高い、あっちのクラスが学力が低いなんてことがあれば、授業の進み具合に差が出たり、生徒間で教えあう機会が減ってしまったりします。3年生ともなれば、それに進路指導も伴ってくるため、先生方の負担も軽減しなければいけません。そのため、最初の段階では学力が分散するようにクラス編成をします。

第2位 人間関係

生徒同士の人間関係で、あの人はNGという人は必ずいます。苦手なだけならまだいいのですが、過去に対人トラブルがあったとなると、その生徒のクラス編成は慎重になります。さらに、保護者もその事件を認知しているとなると、なおさら慎重にならざる負えません。生徒指導上のトラブルを未然に防ぐ意味でも、人間関係の考慮してのクラス編成は必然です。

第3位 生徒の役割

生徒一人一人に性格や特徴があります。例えばリーダーシップのある生徒はどのクラスにも2人~3人以上は必要になります。学級委員などになりそうな生徒の候補を想定しています。また、ピアノを弾ける生徒が何人いるのかもクラス編成の一つのカギになります。合唱コンクールで伴走者が必要となると、最初からピアノが弾ける人を把握して、各クラスに一人以上は入れるようにしています。クラス経営をスムーズに進めるためにも生徒の役割をしっかりと把握してクラス編成をしています。

第4位 不登校生徒の数

近年、不登校生徒の数は多くなっています。学校にもよりますが、不登校生徒へは定期的な電話連絡はもちろん、家庭訪問放課後登校の対応をする必要があります。高校進学を希望している場合は、クラス内で行った進路指導を後日、個別で進路指導をする必要があります。そういったところでも、先生方の負担は分散させていかなければなりません。

と、まあこんなところでしょうか?他にもこれもあるよ!ってものがあれば教えてください。

生徒達にとってみれば1年を左右する大事なクラス替えですが、先生たちにとってみればトラブルなく平和に1年を終えるために必死に新しいクラスを考えています。正直いうと、担任の先生との生徒指導上の相性もあり、この生徒はこの先生のクラスというのもあります。また、付き合っている生徒は一緒のクラスにはなれないという話もたまに聞きますが、それはケースバイケースです。一緒にいると、勉強に集中せずにずっとデレデレしているとかでなければ、クラス編成ではそこまで意識されません。

ちなみに、もと教員の私からすれば

「文句言わずに与えられた環境で頑張れ」

です。生徒一人一人の要望を聞いていたら、いつまでたってもクラス編成は終わりません。どんな環境にでも、楽しい過ごし方は見つけられます。どんなクラスでも、最高の1年だったと思える過ごし方をしましょう。

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