学生の頃、親の次に一番身近な大人は先生でした。私は高校2年生の時に教員になりたいと思い、大学へ進学しました。今思うと、動機は漠然としていましたが、なぜか教育に対するモチベーションだけは高かったのを覚えています。
教員を目指すきっかけは人によって様々です。
・憧れの先生みたいになりたい
・子供が好き
・教えるのが好き
・部活動指導がしたい
大学4年間で教員免許を取得にむけて単位を取り、4月から目標だった先生として学校に勤める先生が今年もたくさんいたことでしょう。しかし、いざ働き始めると何をすればいいのかわからない、激務に追われ教材の準備が終わらない、生徒との関係が上手く構築できないなど、理想と現実のギャップに苦しむ先生も多いはずです。
令和5年東京都では、新規採用された3472人のうち169人が1年以内に退職したといいます。
159人が自主退職しており、退職理由は約半数が病気、約3割が転職、残り2割は家庭の事情という記事を見つけました。
教員の質の低下といわれるものの、進まない働き方改革、改善されない給与形態、増え続ける業務の中で現場の先生方はどんどん疲弊していきます。
私が大学卒業後、初めて勤めた学校は全校生徒150人程度の地方の中学校でした。その規模なので、1年目から教科は1人で全クラスを任されました。不安はありましたが、大学でしっかりと学んできたからきっと大丈夫だと自分に言い聞かせていました。
仕事が始まってみると右も左もわからず、大学で学んできたことなんてまるで役に立ちませんでした。校長先生との職員面談では、仕事の話をしているうちに涙が流れ始め、校長先生からは休職を進められました。しかし、代わりとなる先生もおらず迷惑をかけたくないという思いから、休むことなく出勤し続けました。
その職場では、前年度に過労から職員室で倒れた先生がいたと聞きました。また、私の近くに座っていた先生はストレスから胃が悪くなり入院していました。
生徒たちの成長が見れるというようなやりがいは嘘ではありません。しかし、それでも先生という仕事に見切りをつけ退職・転職する若者が増えています。
外から見る先生の働き方と、実際に先生になってみての働き方には大きなギャップがありました。
新年度が始まり1ヵ月が経とうとしています。生徒が行きたくなる学校、先生方も行きたいと思える職場になる日は来るのでしょうか?誰もが働きやすい学校が少しでも早く実現できる日はまだ遠く感じてしまします。
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