【小中学校の授業時間が5分短縮⁉】授業時間が短くなることのメリット・デメリットとは

文部科学省 ブラック校則

これまで1コマあたりの授業時間は小学校で45分中学校では50分とされてきました。しかし、文部科学省は小中学校の授業時間を5分短くすることを検討しており、短縮分は各校が自由に使えるようにすることなどを想定しています。授業時間が5分短くなると1年間で85時間の削減に繋がり、各校においてこの時間を弾力的に使用することとなります。

文部科学省も教員の負担軽減のために様々な案を考えています。今回は、この「授業時間の5分短縮」のメリット・デメリットについて考えてみましょう。

〇メリット

1.終業時間が早くなる

5時間授業の日は25分、6時間授業の日は30分と終業時間が早くなります。それにより放課後の時間に余裕ができます。教材研究の時間、会議の時間が25分~30分確保できるだけでもかなり余裕ができます。ただ、この25分~30分を部活動を長くできると認識しないようにしましょう。終業時間が25分~30分早まり、仮に放課後部活動があったとすればその分早く下校させるべきです。そうしなければ、授業時間短縮の最大のメリットがなくなってしまします。

2.学習の効率を考えるようになる

限られた時間の中でいかに、知識を定着させることができるのか。それを考えているのは、先生方だけではなく生徒達も一緒です。だれもが学生時代に「あと何分で授業終わるのかな…」と授業中に時計を見たことがあるはずです。残り15分でできること、残り10分でできること、残り5分でよ考えていくうちに学習効率は上がっていきます。ただここで、言われる効率の学習とはあくまでの学習意欲のある生徒に限ります。学習意欲のない生徒は、たとえ授業時間が20分でもその時間で定着する知識はほとんどないものと同じです。そういったことが起こらないように、先生方も授業の工夫が必要になってくるでしょう。

〇デメリット

1.生徒の活動の時間が減る

グループワークでの話し合いの時間、個別の思考の時間、集団での教え合いの時間など、授業が5分短くなるということはその分の時間はどこかで削減しなければなりません。説明が必要な場面での時間を短縮するとなると、理解できる生徒ととできない生徒との差がさらに大きく広がる恐れがあります。そうなればい時間の授業では収まらず、また別な時間へ持ち越しされるのではないでしょうか。場合によっては、生徒の学力の二極化につながることも考えられます。

2.授業時間が減っても教科の範囲が変わらない

現在文科省が検討しているのは、授業時間を5分削減することであって授業内容の見直しではありません。つまり、各教科同じ内容を短くした時間で行っていくことになります。これは詰込み型の授業へと繋がる恐れがあります。「時間はないけど、この時期までにはここまで終わらせたい」、「この1時間でここまでは進めたい」など現場の先生方からは様々な声をこれまで聞いてきました。85時間分の余剰時間を各校判断で自由に使っていいとされていますが、決められた教科で確実に時数を確保できるわけではありません。ただでさえ、範囲ギリギリで終わっている教科もある中で、年度内に必要な単元までの進度が心配されます。

個人的には、5分短縮の考えには賛成です。メリットの部分でもあげているように、放課後の時間が確保できる点や、学習の効率化を見直せる点においてはこれからの教育に必要です。デメリットの部分に関してですが、これはは学校裁量で上手く工夫していく必要があります。年度初めの時点で、遅れてい教科や時数を確保しなければいけない教科などを選定し、空いた85時間を上手く使えれば、この5分削減も大きな効果をもたらすでしょう。しかし、これには学校全体の理解も必要になります。先生方の中には、「部活の時間を長くしよう!」といった考えの先生や、「空いた時間はすべて集会や学校行事の時間にあてよう!」といった先生が出てきてのおかしくはありません。削減された分の時間は学校裁量となってるため、どのように使われておかしくはないのです。

仮に1コマあたりの授業時間5分削減が実施されたときには、学校内で意見を統一して足並みをそろえて計画を立てる必要があります。でなければこの、5分削減の案によってさらに苦しむ先生も出てくるかもしれません。

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