年々教員採用試験の倍率は低下しています。それに伴い倍率も低下し、自治体や教科によっての差はあるものの倍率が2.0倍を切るものも出てきています。
そんな中、文部科学省は2023年5月に教員採用試験前倒しに関する協議会を開催し、全国の自治体に6月16日を目安に1次試験を実施するよう要請しました。また、大学3年生も受験可能とするなどの案も出され、これまでの教員採用試験とは大きく変わっていきます。
各自治体ごとに行われている教員採用試験ですが、これまではおおよそ7月に行われていました。今回の要請を受け、静岡県、茨城県、高知県など多くの自治体で日程を早める対策が取られました。
多くの自治体で教員採用試験を前倒しで行うことで、どのようなメリットとデメリットがあるのかを考えてみましょう。
〇メリット
志願者が増えるかどうかは正直なところやってみないとわかりませんが、増えてほしいというのが私の願いです。応募時期を早めたからと言って必ずしも志願者が増えるわけではありません。ただ、教員のなりて不足が改善されない中で、こういった動きは教員を目指す学生の考え方に良い変化が現れるかもしれません。
また、自治体のによって採用時期が異なるため、複数の自治体への応募の検討がしやすくなります。いつもであれば、試験日が近かったことで応募を見送っていた自治体へも応募可能になるかもしれません。
〇デメリット
デメリットの1つ目は採用時期が早まったことで、合格後の辞退者が増えることが考えられます。教員採用試験の日程が早まるということは、採用試験後の就職活動や教員を辞める決断の時間が確保されることになります。採用試験を受ける学生の中には、腕試し感覚で応募している学生もいます。いずれにせよ、採用試験合格後に辞退する方々は毎年一定数いるため、その辞退者の数が増えるのではないでしょうか。
また、デメリットの2つ目としては、教育実習との兼ね合いです。
教育実習についてはこちらの記事にまとめてみました.
教育実習はほとんどの場合、5月~7月の間で行われています。ちなみに私は5月末から6月末でした。そのため、教育実習を経験せずに教員採用試験を受ける学生も出てきます。教育実習は教員免許取得のためには必ず実施しなければならず、学生にとっては、初めて現場の実態を知ることができる場でもあります。デメリットの1つ目に繋がってくることになりますが、採用試験後に教育実習を経験して、「やっぱり私には無理かも…」と思う学生が出てきてもおかしくはないのです。
1年に1度の教員採用試験。筆記試験、面接、実技試験、グループディスカッション、模擬授業など自治体ごとに準備しなければいけないことはたくさんあります。まずは、希望する自治体の試験範囲や過去の試験内容などを確認して、万全な状態で臨みましょう!
素敵な先生方が選ばれ、子供たちの良い学びを与えてくれることでしょう。
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